手のかかる子ほど可愛い
岐阜にある母の実家。土間になった玄関を入ってすぐ居間があった。
祖父は決まってそこにいた。そしてその祖父の前には火鉢が。
今は亡き祖父を想い出すとき、必ずその火鉢がセットで出てくる。
集まった孫一同、火鉢を囲んで炙った芋切りやらスルメやらを食べたものだ。
そんな思い出があるものだから、いつか火鉢のある生活をしてみたいなあ、
と思っていたところ、
3年前の誕生日に頂いた。
関東火鉢である。
こいつがやたら手がかかる。
1.炭は煙の出ない備長炭でなければならない。
2.熾すには火熾し器に入れ15分ほどガスコンロで熱する。
3.換気は頻繁にしなければならない。そのくせ暖房器としては役に立たない。
4.目を離すと消えている、または盛大に炎があがっていることもある。
5.風で灰が舞う。
6.消火するときは火消し壺に移す。
そんな風に非常に手のかかる子ではあるが、
いつか祖父のようにこいつの前に座り、孫を迎える日が来るだろうか、
来たらいいなと思うのだ。
あとは、南部鉄の鉄瓶と横でゴロゴロする猫が欲しいな。