Cloud Nine
午後2時過ぎ、ここは裏木曽、小秀山山頂。
一緒に登山談義をしていたお二人が下山され、独りになった。
今夜はここで泊まる。
早速飲む。
ついさっきまで人で溢れていた狭い山頂も独り占めだ。
風も無く、時々上空を飛ぶ飛行機の音以外、静寂そのもの。
群れ飛ぶアマツバメ。近くを飛ぶとビュッという音がする。
それどころか蝶の羽ばたく音というものを初めて聞いた。
午後4時。
早い夕食
夕方、風が強くなるとともに雲が出てきた。
夕陽も星空も望めそうにないが、それもまたよし。
午後6時。
肌寒くなったので早々にシュラフに潜り込んだ。
うとうとしては目覚めを繰り返し、気がつけば真っ暗。
午後8時。
小屋の外でガサゴソ音がする。
鹿だろうか、カモシカだろうか、それとも熊だろうか?
確認はしなかった。互いに干渉しないのが一番。
暗闇の中で考えた。
今きっと半径数km内には人っ子一人いないだろうな。
本当の孤独がどんなものかはよーく知っている。
今は小屋の周りも雲の中。
まさに I'm on cloud nine.
無人島にでも行かなければ体験できない状況にわくわくする。
人口密度1人。いや0.何人か。
翌日午前4時。相変わらず雲が厚い。
ご来光も雲海もあきらめ下山。
そして人に会うより先に、熊に出会った。
下山後の水は美味かった。
詳しい山行記録はこちらに投稿しました。